( アイディア ) ( 2017.12.9. 追記 )
ジャン・ピエール・ウーダンさん、本当にごめんなさい!
これは、ビラミッドの内部螺旋斜路を最終局面で最上部から順に巨石で埋め尽くしてゆく手順 …についてのメモを書いてる途中で、とうとう、辿り着いてしまった、全然 「 内部斜路 」 では無く、何と 「 階段状のビラミッド外側斜面を切り通す形で形成される外部斜路 」 …という、ウーダン説を丸ごと覆してしまうが如く失礼千万な結論なので、ジャン・ピエール・ウーダン氏に対しては本当に余りにも恩知らずであり、申し訳ないのですが、多分、これが最終的な結論となりそうです。
[ 以下は、そのメモの書き始めから、途中で気付いての最終結末までの、そのまま全部です。]
● 斜路最奥の積み石 問題
下側から巨石が運ばれて来ての斜路の最上部分に、一体どうやって巨石を詰め込めるのか?
( 要するに下の石が未だ積まれてないのに上の石を先に詰め込まなければならないという事だ。)
以前 「 傾斜路の全体は上から順にどんどん埋め潰されていった …と考えられる 」 等と安易に書いてはいたが、人が手で簡単に積み上げられる現在のコンクリートブロックや煉瓦サイズのモノを斜路の最奥部で詰め込むだけならともかく、それより大きい 「 垂直には持ち上げ不可能な巨石 」 を詰め込む …となると一体どうすれば良いのだろう?
原則 ; 巨石は 「 斜路最奥部の埋め尽くし場面 」 に於いても、唯、斜路上か平面上でのみ楽々移動・設置が可能であり、垂直に持ち上げる等はほぼ不可能と考えるべきである。
( それでクリア出来なければ、斜路の最奥部は埋め尽くせない。 )
巨石で埋め尽くすべく斜路最奥部分にある巨石 1 個分 +α の空間最奥に、金属ないし木製の梁を 1 本設置し、その梁を介して当該巨石と、( 未だ天井高の目一杯活用出来る ) より低い位置に設置されたままになってる梁を更に介してループ縄梯子を活用すれば、より高い位置に在る巨石を更に高い位置や水平位置に移動可能である …が、おっと、一寸待った!
螺旋斜路をピラミッドの最上部から順に埋め尽くしてゆくのは、斜路内の 5 メートルもある天井高までを、人が小さなコンクリートブロック程の石を斜路の床から積み上げてゆく …というのでも無い限り、( 持送り工法が全く使えない為に ) 事実上不可能である …とたった今、気付いた!
● つまり、ピラミッドの内部螺旋斜路は、最下段から埋め尽くして行く以外には、巨石で埋め尽くす方法が全く無い …と判明
最下段から埋め尽くすしかない …のだとすると、途中で巨石や材料を追加する運搬経路は事実上無くなるので、予めそれをその以前に全部完了させておくしかない。
よって、螺旋斜路を完全に埋め尽くす為には、何よりも先ずその各段毎を埋め尽くせる個数の巨石がその段の高さに予め運び上げられてて、既に用意されてるのでないとならない。
最上部近くの各段を形成してる巨石は 45 センチ程度の高さのモノなので、斜路の天井高である 5 メートル分は約 10 段の巨石で覆われてる状態である。
故に、その各段の上にその 1 つ上の位置の斜路空間を埋め尽くせる数の巨石が、未だ段々状態であるピラミッド四角錐の斜路位置の外周り ( つまり斜路の外側 ) に予め並べられていれば良いことになる。
この未だ段々状態のピラミッドの四角錐の周囲には、キャップストーン設置直後から始まる化粧石灰岩の形成用の全材料もまた運び上げられなければならない。
だが、上記の斜路埋め尽くし用の巨石が ( 開いてた引き出しが閉じられるが如く ) 其処から完全に無くなるのは、実は斜路が下から順に埋め尽くされてゆく時点なので、それが開始された時点ではもう ( 運び上げ経路としての ) 斜路は使用不可能になってしまう。
なのでピラミッド各段の化粧石形成用の全部の材料は、少なくとも斜路の埋め尽くし工程が開始される直前までに、完全に各々の施工位置にまで運び上げられていないとならない。
それが出来てれば、斜路を下から順に、開いた引き出しのような状態でその脇に用意されてた石を斜路の開口部から斜路内に水平に引き込んで引き出しを閉めるが如く、石で埋め尽くしてゆく事が出来る。
唯この作業が開始されて以降、石や資材はあらかじめ必要な高さと位置にまで運び上げられてるものの、作業員やその食料や水などの一切の日々の運搬については、部分的に残ってる上の部分でしか斜路を使えなくなり、それ以外は階段状のピラミッド側面に梯子を掛けて直接登ったり降りたりする以外に無くなる為、かなり不便な状態になったろう。
果たして、本当にそんなやり方をワザワザしていたのだろうか?
無論、「 斜路は埋めずにそのまま残した 」 または 「 斜路は最奥部から小さな石でしか埋めなかった 」 または 「 斜路に詰め込んだ巨石はその場所で形成された古代コンクリートだった 」 などの可能性も無くはない。
が、待てよ? 一寸待てよ? ( ← 私はここで、突然、大変な事に気付いてしまった。 )
内部螺旋斜路の直上には、実際に 「 上の内部螺旋斜路 」 なんて、果たしてホントに通っていたのだろうか?
此処まではずっと、何となく下の斜路の天井がそこより上の斜路やピラミッド構造を支えてるかのようについつい思い込んでいたのだったが …、改めて考えてみるとそんな筈は無いのだ。
ピラミッドのあの角度でだと、例え 4 隅のそれぞれから斜路を形成しての最密内部斜路構造を以ってしてさえも、上を通る内部斜路の真下に下段の内部斜路が位置してるなんて事は、そもそも最初から全く有り得ない水平位置になってるのが明らかなのである。
斜路が 1 周毎に回帰する位置はどんどん内側に寄ってゆくから、斜路の直上には殆ど何の構造も有る筈が無い。
だとすると内部螺旋斜路であるべきものは、その最初の形成時には未だ剥き出しだから太陽光を遮る効果は元々無いのだし、形成後にもその天井は ( 例え 5 メートルもの天井高を取れるほど内側の位置に内部斜路が形成されてるにしても、大変な苦労をして持送り方式で漸く形成されるその天井は ) 唯ピラミッドの斜面の直ぐ下に埋もれてしまうだけの事で、其処より上の巨石を支えられる位置になど元々無いのである。
とするとこの内部斜路なるモノは、陽光や強風を避けられる …という以外の利点を殆ど持ってないにも拘わらず、その形成時には 「 持ち送り天井形成の困難さ 」 や 「 通気兼採光兼作業員や建設資材の出し入れ用の窓孔形成の手間 」 や 「 トンネル故の作業空間的制限 」 等をことごとく強いられる …というまさに欠点ばかりのように見え始めて来るではないか?
だとすると、この欠点を解消するのは極めて簡単である。
何の事は無い。
螺旋斜路を 「 内部 」 に造るのをやめて、建設当初は未だ階段状となってる大ピラミッドの外側、つまり 「 外部 」 に、剥き出しの 「 切り通し型 」 斜路 として造れば良いのである。
…ということになると、ウーダン氏には甚だ申し訳ないのだが、ピラミッドは 「 内部螺旋斜路 」 では無く、やはりその見えてるがままの 「 階段状の外壁上の斜路 」 ( ピラミッドの斜面をホンの少し切り欠いて 「 切り通し 」 を形成する要領で作られた外部螺旋斜路 ) を使って建造された …と考える方が、今も剥き出しの 「 ピラミッド構造部分 」 の工事はもっと遥かに簡単なものとなるのである。
但し、この 「 外部斜路 」 は、上に述べた通り 「 切り通し型 」 であって、所謂 「張り出し型 」 外部斜路では無い。
どういう事かと言うと、コレは役目を終えた後で 「 撤去 」 される足場のようなモノではなく、そのままピラミッドの構造内に取り込まれる 「 ピラミッドの外部に在りながらピラミッド構造の一部である、云わば天井の無い内部斜路みたいなモノ 」 なのであって、外部斜路でありながら 「 ウーダン氏の内部斜路の子孫 」 の如くモノなのである。
つまりこの新仮説は、ウーダン氏の仮説の子孫、…と言って良いのである。
ウーダン氏の提唱した 「 内部斜路 」 の最大の特徴 …であると共に最重要な点は、巨石運搬用の斜路構造そのものが、全く無駄にならずにピラミッドの構造内に全部組み込まれてゆく …という点である。
その意味ではつまりこの 「 切り通し 」 型 外部螺旋斜路は、紛れも無くウーダン氏の 「 内部螺旋斜路 」 の子孫なのであり、ウーダン説が先に無ければ決して出て来る筈が無かったのである。
( ウーダン氏の説と真っ向から対立する説では無くて、本当にまあ、良かった。 )
( 2017.2.6. 追記 )
● 補足的だが重要な追記
平均 4 度勾配である大ピラミッドの 「 外部 切り通し型 運び上げ斜路 」 には、積み上げられる巨石の 1 段毎の平面とのアクセス、およびピラミッド角部での方向転換位置に於ける斜路の捻れ問題を解決する為に、平坦な踊り場部分が必然的に造られていた筈である。
[ ( 2018.2.12. 追記 ) …と考えていたのだが、そのままだと斜路に捩れが生じてしまう角部の踊り場では確かにそうでも、各段毎の平坦な踊り場など残されてるワケが無い …と昨日漸く気付いた。
建設平面に辿り着いた斜路は必然的に平坦な面に変わるので ( より正確には、立体プリンターの形成面の如くに造られて成った 「 最上段の上面 」 から、逆に、徐々に背の低くなる 「 斜路形成用の上面が斜めになってる巨石 」 を後退しつつ並べることで形成されて行く 「 次の段 = 建設平面への斜路 」 の上端は、必然的に平坦な面に繋がってるので ) 、斜路上にワザワザ 「 平坦な踊り場スペースを造らなければならない理由 」 など、別に何処にも無いのだった。
そしてその段が完成しての最終場面で造られ始める 「 今完成したばかりの段上への新たな延長斜路 」 の低い方の末端 = 手前側にも、其処に 「 平坦な踊り場 」 をワザワザ残す必要など何処にも無いので、ソレは 4 度勾配のまま続けて造成されて行ったに違いなかった。
従って 「 外部切り通し斜路 」 に角部の平坦な踊り場は必須なものの、「 積み石 各段 上面毎の踊り場 」 などは、元から有る筈も無かった …という結論となった。]
● 改めて考えてみると 「 王の間 天井の花崗岩巨石 」 を他の巨石と同じ斜路を共用して運び上げ続け、事後に斜路巾を狭める …などというのは、何とも不合理、不効率、かつ不釣り合いでもあるので、もっと効率的なやり方での専用斜路が別に有った可能性が十分にある。
それらは恐らく、王の間が造られる大ピラミッドの中央位置が ( 元々そこに鎮座してる石灰岩の ) 岩山を凌駕した時点で、その近くにと集められ其処に纏めて置かれる事になったろう。
43 個 〜 67 個の花崗岩巨石はピラミッド建設平面の中央近くの片側に置かれていて、その目の前の反対側に次の段が必要な広さにまで積まれて形成された段階で、その上への 10 メートル近い巾の専用斜路が先に造られて次の段に運び上げられて行ったろう。
その後、外部切り通し斜路で次々と運び上げられて来る普通サイズの石灰岩巨石が、花崗岩巨石の居なくなった跡のスペースにも置かれてゆき、その段の全体が 1 段高くなる。
そうして当該建設平面が全部完成すると、外部切り通し斜路がまた 1 段分延長され、今完成した段の上への石灰岩巨石の運び上げが再び始まる。
そうやってまた、花崗岩巨石の目の前の ( 花崗岩巨石が元居た ) 場所にも新しい石が次々敷かれてゆき、それが十分に広くなったところでまた、その上への 10 メートル近い巾の花崗岩巨石専用斜路が造成され、花崗岩巨石群が更にまた 1 段上にと先に運び上げられる。
こうしてピラミッド建設平面の、中央位置に近いエリアの彼方と此方を絶えず往復しつつ、花崗岩巨石群だけが他の石の邪魔になること無く、ひと足先に上の段へと運び上げられて行った …と考えられる。
それは極めて合理的かつ無駄の無いやり方であった。
● 外部 「 切り通し型 」 斜路の巾は、実は 2 メートルで十分と判明した …というか、今気付いた。
すると 「 最奥からの斜路の埋め尽くし 」 には如何なる困難も無かった …という事になる。
更にピラミッドの中段や上段では、石の大きさが 90 センチ 〜 45 センチと小さくなるから、斜路巾は精々が 1.5 〜 1 メートルだったとも考えられる。 何故なら 90 センチ 〜 45 センチの直方体の石の重さは 2 トン 〜 250 kg であり、斜路上では 3 人 〜 1 人の体重で楽々運び上がるからだ。
また斜路上に固定されてたそれらの位置でのより小型のヤグラ ( ループ縄梯子 ) は、転落防止の為にその外側の脚 2 本が斜路の石に深く穴を穿って埋め込まれていたか、或いは 1 段下の段へと長く脚を伸ばしてシッカリ固定されてたか …だとも考えられる。
当初の勘違いでの 「 内部斜路 4 メートル巾仮説 」 についつい捕らわれて、外部 「 切り通し型 」 斜路の巾をも 「 4 メートル巾 」 と想定し続けてた為、ピラミッド本体側には高さ 4 〜 5 メートルもの 「 切り立った壁 」 があるもの …と、今の今まで思い込んでいたのである。
が、改めて考えてみると 「 王の間 」 の巨石は予め最初に運び上げられてた …ともう判明してるので、4 メートルなんて斜路巾はそもそも必要な筈が無いのである。
するとピラミッド下段での、最大でも 1.5 メートル程の直方体を、クレードルで巻いて横にして転がして運び上げるにしても、必要な斜路巾は精々が 2 メートルで十分である。
( この数字はウーダン氏が元々想定してた内部斜路の巾 2,2 メートルとほぼ同じである。 )
そして外部 「 切り通し 」 斜路の巾がもしも 2 メートルなら、傾斜 51 度 52 分のピラミッド斜面に於いて切り通し斜路の内側に切り立つ壁の高さは、高々 2.54 m でしかない。
それならば 「 切り通し斜路の存在 」 故に欠落してる空間を、ピラミッド斜面の傾斜に合わせて粗く埋める為に置かれなければならない石の大きさと個数は、高さ 1.2 メートル程の巨石、たった 1 個で十分という事になる。
それだけで大ピラミッドの斜面は段々ギザギザではあっても滑らかな連なりとなり、後はその上に、多量のオパールの混ざった真っ白な人工石灰岩を分厚く形成して行けば良いのである。
斜路の長さの 1 単位 ( 1 巨石長 ) 毎にたった 1 個ずつの巨石を、斜路の最奥最高部から順に置いて下段へと戻りつつ、その巨石をもまた覆い尽くす外装化粧石が、ピラミッドの頂点から下へと順に形成されて来るのとタイミングを合わせつつ、斜路の埋め尽くし工事が ( ゆっくりと ) 地上にまで降りて来ると、真っ白に輝く大ピラミッドが完成するのである。
一旦は大雑把に段々状態で建造しておいて、頂部にキャップストーンを正確に設置し、それで正確な四角錐形状の測量が可能になった後、その 切り通し 外部螺旋 斜路上とその周りに存在する階段状の凸凹空間を、先ずは頂点の周囲から始めて順々に降りてゆきながら、作業員は追加で下から運び上げた石と、古代コンクリート技術で形成される化粧石とで、ピラミッドの表面を覆い尽くし、それをツルツルに磨き上げつつ基壇にまで戻って来るのである。
外部斜路の全体はつまり、下から運び上げた追加の 1 個ずつの巨石と、その上を覆って形成される ( 多量のオパールを混ぜた ) 真っ白な化粧石によって、完全に埋め尽くされ、跡形無く消え失せてしまうのである。
このような方法でのみ、ピラミッド周囲の外装化粧石の貼り付けと共に 「 建設中にはずっと必須の ( 石材と資材と道具と人員全ての ) 搬送路 」 であった 「 螺旋斜路 」 を、頂点から下へと完全に埋め尽くして消去することが可能である。
これ以上に合理的な、「 外壁 ( 切り通し ) 螺旋斜路 」 の活用法と 「 大ピラミッドの建造方法 」 は、恐らく他に無いと考えられる。
( 尚、完成前の工事作業中にはずっと階段状でしかない外部螺旋斜路は、もし誤って落下したとしても精々が 45 センチ 〜 1 メートル程上からの落下でしか無かったので、作業中の直ぐ下の段上に干し草やクッションを並べておきさえすれば危険は殆ど無かったろう。 また強い陽射しは普通に麻布や幌で作業中の場所だけを覆っておけば、それで済んだのに違い無い。 )
ところで、この 「 運び上げ斜路 」 の巨石でのラフな埋め尽くし過程が 「 斜路最奥からの最も単純な埋め尽くし 」 で済む …と判明した事で、この上の方で色々ゴチャゴチャと書いていた 「 複雑極まる埋め尽くしの手順の一切 」 はまたもや無用の長物と化し、この小論前半での 「 カタパルト台 」 や 「 換気窓 」 や 「 天井梁 」 と同じくゴミ箱行きとなってしまった。
余計な議論に付き合わせてしまった読者のみなさんにはお詫びを申し上げるしかない。
追記は以上
以下は例によって、この最終発見当日の経緯日記である。