( 疑問符 ) ( 2014.7.29. 記 ) ( 2015.1.2. 追記 )
アダム・ヴァイスハウプトはジョージ・ワシントンと同一人物では有り得ない
彼はまた、現存するイルミナティの始祖でもなく、恐らくは唯、同一名称故にそのように言われてるだけの組織来歴用ダミー、もしくは換骨奪胎されたドナー組織創始者の類いである。
Copyright 2015.1.2. by うつぎれい
アメリカは 1776 年 7 月 4 日に独立宣言してるものの、周知の通り米英の植民地革命戦争はその前年の 1775 年 4 月 19 日から、1783 年 9 月 3 日まで続いた。
ドイツのアダム・ヴァイスハウプトが、この 「 ( 1776 年の ) アメリカ独立宣言」に感化され、ドイツ国内に秘密結社イルミナティを創設した、 …という可能性は大いに有りそうに思える。
しかし同じ頃に彼がアメリカのジョージ・ワシントンである事はどう考えてみても不可能だろう。
何故なら、アダム・ヴァイスハウプトが組織したというイルミナティは、1776 年から 1784 年までの 8 年間で急速に拡大し、また急速に消滅したものと見られるが、ジョージ・ワシントンはその殆どの期間中、アメリカで独立戦争を戦ってる真っ最中である。
ワシントンとヴァイスハウプトが共にフリーメイソンだった事は確たる事実でも、飛行機のまだ無い時代に米独間を頻繁に行き来して、両大陸で同時に大きな業績を残すなど出来よう筈もない。
何よりもジョージ・ワシントンには、それより以前とそれより以後の、アメリカ国内での経歴がちゃんと有るのだ。 ( これはちょっと調べてみれば、誰にでも直ぐに分かることである。 )
その間に彼が秘かに度々ドイツに渡り、ヴァイスハウプトの名で上手なドイツ語を駆使し、新しい秘密結社を作ってそれを盛り上げるべく奔走…していられる時間など、有った筈がないのである。
肖像画の顔がちょっと似ていて、話としては面白いから…というだけの理由で、安易にこうしたガセネタを陰謀説に絡めるのは、如何にもタチが悪い。
が、これは ( 既にフリーメーソンにもイルミナティにもしっかり取り込まれていて、今やその広報工作者にもなってるらしい ) 「 関暁夫 」 が仕掛けてる、デバンキングプロジェクトの一環 …と見做して一応警戒しておいた方が無難であろう。
[ 見え見えのガセネタを、本当の陰謀説中にワザと混ぜておく …というのは、それを以て陰謀説全体への関心を失わせるべく 「 デバンキング・プロジェクト ( 反論計画 ) 」 の常套手段である。]
残念ながらここの処、ベンジャミン・フルフォード、フォスター・ギャンブル、そして関暁夫…と立て続けに著名な陰謀説提唱者達が、イルミナティやフリーメーソンやに呑み込まれているようだ。
そしてワザとガセネタを混ぜた陰謀説を振り撒きつつ 「 新しい時代がもう直ぐやって来るから、その時を待て 」 とやって、この世界の真相に関心を持ってる人々を、思考停止と行動停止に陥らせている。
こうしたスペースブラザース的な誘導には、人類の自主性を喪失しないように気を付けなければならない。
( そのような終末論法は、キリスト教 ・モルモン教 ・ラエリアン・ムーブメント等、終末論を唱えて信者をフヌケ化し、言いなりにしようとしてる一神教の論法と正にソックリなのである。 )
● アダム・ヴァイスハウプトの作ったイルミナティは、現在のイルミナティとは恐らく別物
この番組中、イルミナティが存在すること自体は何ら否定しようともせずに 「 フリーメイソンの中にはイルミナティは居ない 」 と敢えて強く断言までしたドイツ・フリーメイソンのグランドマスターが、アダム・ヴァイスハウプトという名を聞くと何故か不敵な笑いを浮かべつつ 「 興味が無い 」 と言い捨てた理由は、察するに ( アダム・ヴァイスハウプトの作った ) 僅か8年間で消滅したイルミナティは、現存する秘密結社のイルミナティとは恐らく “ ただ同一名称なだけ ” で、実は何の関係性も歴史的繋がりも無く、だからこそ ( アダム・ヴァイスハウプトなど何ら重要ではない ) …と知り尽くしてるグランドマスターの、それが一つの表現形であった …と考えられる。
そうであればこそ、あの不敵な笑いと態度の、説明が付くのである。
以上は元々、2014 年 7 月 25 日の TXTV 「 やりすぎコージー 都市伝説スペシャル 」 を見ての、7 月 29 日付けの感想であった。
( 追記 ; 同年 12 月 26 日に放送の同じ番組内でもまだこの同じ内容が繰り返されていた。 )
このテレビによって注がれてる 「 ウソという毒 」 に対する、この程度の解毒剤は、多分必要なのに違いない。
● 因みに 「 イルミナティ・カード 」 について
元々が、世に流布されてる色々な陰謀論を題材に、それらしくデッチ上げられた一つのカードゲーム 「 トレーディング・カードゲーム 」 でしかない 「 イルミナティ・カード ( 商品名 ) 」 を、まるでソレが予言書ででもあるかの如くに紹介し、500 種類近くも発売されてるカード中の、ただ都合の良さそうな数枚のカードの絵柄だけを選び、そのカードにかこつけてさも尤もらしくイルミナティ話を語り、信じ込ませる …というこの番組の演出は、ペテン師と同質の手法である …と言っておこう。
だからこそ 「 信じるか、信じないかは、あなた次第です 」 と逃げ、結構な裏付けも有る筈の陰謀説を説きつつ 「 これは都市伝説です 」 と逃げているのだろうから、本当に卑怯な話である。
以上
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